2010年12月31日金曜日

2010年大晦日

今年も残すところ、あと数時間、大晦日の夜。あっという間に1年が過ぎて行った感がある2010年だ。今年は私にとって人生の転換点でもあり大きな方向転換もあった年だ。大学新卒入社以来17年間勤めた会社を退社し新たに会社を創業した。

小雨の降る寒い2010年2月1日である。様々な必要書類は自分で用意し名古屋法務局に届け出をした。分からない事などは法務局で全て教えてもらった。お役所仕事という悪いイメージとは違い、懇切丁寧にアドバイスを頂いた。

 

こうして創業したクエリーアイ株式会社はあいちベンチャーハウスに居を構え活動を開始した。2010年2月〜3月迄の2ヶ月間はシェアード・オフィスという1つの部屋を数社でシェアし占有スペースは机1つという場所だ。



元々、前職では新規事業の開拓などを行ってきた経緯もあり、新しい事業を興して行くという事に対して躊躇はあまりなかった。一般的には「ベンチャー」「起業」と言われるが自分の中では、あまりそういうイメージは無い。ベンチャー起業というとアイデアに対して投資家から資金を集めて事業化し目指すは上場やバイアウト(会社の売却)というイメージが私にはある。つまりこういった方向性は持っていない。

アイデアではなく事業でありビジネスだ。売上と利益を伴った成長こそが重要である。

私の思っている会社の基本定義はy=f(x)だ。関数系fに資本xを入れるとyという利益が出る。こ
のための関数fを設計し運営することが事業だ。これに時間軸を加えて再帰させる。つまり持続させる事だ。そして事業の本質であるfをブラさないために経営権の独立が必要だと考えている。これが100%自己資本である所以である。

会社を設立するにあたり事業の主軸をマーケティング・テクノロジーの提供においた。まずはモバイル、それもiPhoneアプリケーション向けのマーケティングシステムの開発と事業化だ。これを机一つから私一人で開発を始めた。


2010年4月1日からはシェアードルームから約15平米の個室に移動する。シェアードルームは半年毎の審査が必要だが個室は1年毎3年間の入居が可能になる。

この部屋で事業のためのソフトウェアを何本も書きテストし破棄し書き直しテストを繰り返し、試験システムの運営を行ってきた。

システムの大きな書き換えは合計4回になる。シェアードルームで作っていたPHPによるシステムは運用上の問題から全破棄、次に作ったPythonによるGoogle App Engine(GAE)上のシステムはGAE利用料金が月額約100万円となる事が判明し断念。3つ目のシステムでβ版を発表した。しかし月間1億レコードという膨大なデータを捌くにはデータベースが破綻寸前、大容量のデータを取り扱う部分でMySQLを捨て、4つ目の大きな書き換えとしてMySQLなどのデータベースを使わないファイルシステムベースのオリジナル・データ検索システムを開発した。この部分は11月から新たに加わったエンジニアが担当した。そして12月に製品版としてリリースすることができた。

6月には毎年恒例となっているサンフランシスコ行きだ。Apple社のWorld Wide Developer Conference (WWDC)に訪れた(この時の事はCNET Japanに寄稿した)。色々な人との交流という点では大変有意義な渡米だった。また来年も行くことになるだろう。

 

9月、東京ゲームショウ(TGS) 2010に出展しQuerySeeker を発表した。会社を設立したときから、ここに出展することは事業計画として盛り込んであった。舞台に立って仁義を切る、という意味合いもある。サービスを少しでも認知してもらうための舞台だ。その最初の機会をTGSをターゲットにした。結果的に各種メディアでも取り上げられ、大変多くの皆様に知って頂く事に成功した。またブースに立って頂いたsmartgirls.jpの2人にも頑張ってもらい会場も多いに盛り上がった。




11月からはソフトウェアエンジニアとして初めて正社員が入社、2名体制となる。ここからは私はソフトウェアエンジニアとしての業務を専任エンジニアに任せ経営者としての本業に力を入れる事ができるようになった。経営者と言っても最重要な業務は営業だ。

12月6日に製品リリースを行い、年の瀬はほぼ営業回りの1ヶ月。東京ゲームショウで反響を寄せて頂いたお客様や以前から懇意にして頂いていた皆様からのご紹介など多くの会社様を訪問させて頂いた。会社を設立して11ヶ月、ようやく事業として体を成すようになってきた。

今年2010年は多くの人と出会い、多くの教訓を得ることができ、多くの前進があった忘れがたい1年だった。

来年2011年は飛躍の年にしたい。

2010年6月17日木曜日

WWDC 2010について寄稿

WWDC 2010の基調講演のコラムとフォトレポートをCNET Japanに寄稿しました。




2010年6月6日日曜日

サンフランシスコ

今年もこの季節、サンフランシスコにやってきた。iPhoneが登場以降、AppleのWorld Wide Developers Conference ( WWDC 2010 ) に来ている。今年で3回目のWWDCだ。

今回は新しい会社での初めての海外出張、更にパスポートも更新して新品。真新しい台紙の上の最初の一つのスタンプとともに米国入国だ。まずはざっと一回りしてきた写真を掲載しよう。

WWDCが行われる会場、開催2日前の様子だ。まだ準備中。明日からバッチの受け取りが始まる。

ユニオンスクエアに立ち寄った所でiPadの看板を撮ってみた。



さて、今回はどんな出会いと新たな発見があるだろうか。楽しみだ。